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中国の七夕

中国では、気候もよく、草木の香り漂う旧暦7月7日(今年は8月6日)の夜に節句の一つである七夕を祝う。この日はまた「乞巧節」、「女児節」とも呼ばれている。中国の伝統的な節句の中でも、特にロマンチックなこの日は、昔から女の子に最も好まれてきた節句である。爽やかな初秋の満天の星空を東と西に分断するように南北に流れる天の川。向かい合う川の東西には、それぞれ織姫星(ベガ)と夏彦星(アルタイル)と呼ばれている光り輝く星がある。

七夕の食べる物

中国の伝統的な食品「巧果」は、小麦粉で出来た型焼き菓子で、七夕にお供えし、食べる。多くは幾何学形をしており、表面には、さまざまな精巧で美しい吉祥模様が入っている。蓮蓬、モモ、トラ、ライオン、ネコ、サル、ニワトリ、ブタ、セミなどの模様が一般的だ。小麦粉を水で溶いて丸めたものを鉄なべで揚げた後、赤い綿糸とわらでできた串に刺し、端にはカラフルなフリンジを飾りにつける。一本の串は10数個の巧果子でできており、壁に掛けたり子供の首に飾ったりするアクセサリ兼おやつだ。

湖南省、浙江省 女性は髪を洗い、露を集める

七夕に女性が髪を洗うという面白い風習を記載した文章が、湖南省と江蘇省・浙江省一帯にある。人々は七夕の日に泉の水、川の水を汲むことを、天の川の水を汲むこととみなし、その水には人を清める神秘的な力があると信じている。そのため女性がこの日に髪を洗うことには、天の川の聖なる水で髪を清め、女神の御加護が得られるという特別な意味がある。

広州 仙人を迎える

 広東省広州市の「乞巧節」は独特の風習がある。「乞巧節」の時期になると、女性たちは色紙、カミヤツデ、綿のひもなどを使って編んだ精巧なおもちゃを作り、節句を迎える準備をする。さらに穀物類やリョクトウを小さな箱に入れ、水の中に入れて発芽させ、芽が7センチほどまで生長すると、それを使って神を崇拝する。この儀式は「苗の仙人崇拝」・「野菜の神崇拝」と呼ばれている。七夕前日の旧暦7月6日の夜から7日の夜の間、女性達は新しい服を身にまとい、新しい装身具を身につけ、準備が整うと、線香を燃やし、ろうそくに火をつけ、星空に向かってひざまずく。この儀式は「仙人を迎える」ために行われているという。

嘉興 七夕「香橋会」

中国浙江省の嘉興市(かこうし)には七夕「香橋会」と呼ばれるものがある。人々は毎年七夕の日に集まってきて、「香橋」と呼ばれる橋を作る。「香橋」とは、各種太くて長い「裹頭香」(紙で包んだ線香)を使って作られた、長さ4、5メートル、幅約50センチの架け橋のこと。夜になると人々は織姫星と夏彦星を祀り、幸福を祈り、最後に「香橋」を焼く。焼く儀式は織姫星と夏彦星が既に「香橋」を渡り、喜びのうちに出会うことができたということを意味している。

陝西省 手先の器用さを競う

陝西省の黄河の上流および中流域に広がる高原地域では、七夕の夜にさまざまな「乞巧」に関する行事を行う風習があり、中でもよく見られるのは女性たちが、花の服を着た「器用な娘」と呼ばれる草人形を編むことだ。また七夕の夜に各家庭の女性は、豆苗、青ネギを切って水の入ったコップに入れ、月の下にできる影を見て、手の器用さを占ったり、針の穴に糸を通す速さを競ったりする。

紹興市 かぼちゃ棚で内緒話を盗み聞き

 浙江省紹興市(しょうこうし)の農村では七夕の夜に、嫁入り前の少女が一人で、よく育ったかぼちゃ棚に隠れ、再会を果たした織姫と夏彦が話す内緒話を夜の深まったころにこっそり聞くと、後日千年変わらない愛を得ることができると言われている。

山東省 「巧菜」を育て「巧花」を作る

 山東省栄城市(えいせいし)には少女が杯の中で麦芽を育てる「巧菜」と呼ばれるものと、少女が小麦粉で花付きの食べ物を作る「巧花」と呼ばれる二つの行事がある。

広西 七夕の日に水をためる

 広西チワン族自治区のある地域では七夕の日に水をためる風習がある。人々は七夕の日にためた水を「双七水」と呼び、この水で体を洗うと厄を追い払うことができるとされる。体が弱く病気がちな子どもが、赤い紐に7つの結び目を作って、それを首に巻き、健康や吉兆を祈る風習もある。

中国西南地区 草花でつめを染める

 七夕の日につめを染める風習に関する記載が、四川省の多くの県や貴州省、広東省など西南地区一帯に残っている。また伝説では、若くて美しくなることができ、未婚の女性は自分好みの結婚相手をいち早く見つけることができるとされていることから、多くの地域の若い女性は七夕の日に樹液を水に混ぜて髪を洗う。また七夕の日に草花でつめを染めることも、多くの女性や子どもたちの楽しみの一つ。この風習は出産に関する信仰と密接な関係がある。
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